[投稿日] 2022-03-12
[更新日] 2022-03-10
これまで投資の取り組みなどお金を増やす・貯めることについては何回か書いてきました。主だった投稿はこちら。
投資をはじめた話
投資のスタイル
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一方で出ていくお金の管理については記したことがありません。
我が家は私もパートナーも個人事業主なので毎年この時期は確定申告で脳ミソに汗を書いております。今年の申告も無事に済ませたことですし、今回は個人的な支出の管理とその大切さについて振り返ってみます。
事業上の支出の管理は実はそれほど面倒ではない
確定申告? 事業上の支出管理?と聞くと経験のない方は「とにかく面倒くさそう」と思われるのではないでしょうか。
でも実際のところ、私のようなごくごく小規模な個人事業主にとってはそれほど面倒ではありません。
事業に必要なものを買ったり費用を支払ったりする、控除されるもの分ける、というだけのことなので、お金の用途や出ていく先がはっきりしていて「これなんだっけ?」と悩む余地はありません。
なにより事業のための支出は「記録が残っている」というのが原則です。領収証・通帳、クレジットカードの利用明細や自治体・保険会社からの通知など見れば用途も金額も日付もわかります。
私の仕事に必要な機材・資材の種類や費用はたかが知れているので予算化も楽ですし、対応できないほどの緊急かつ高額な出費というのも考えづらい仕事内容ではあります。起きるとしたら災害レベルの出来事での損害なので、それはまた違った話になります。
細かく考えれば面倒なのは「支出そのものの管理」よりも、記録の保存・整理であり、確定申告のようにそれを集計したり分類したり……という手間だといえるでしょう。
それもファイリングのツールや経理・会計ソフトでかなり軽減できますし、eTaxにしてからは申告自体がずいぶん楽になりました。
ちなみに私はエクセルで確定申告の決算書・申告書と同じ計算ができるシートを自作して、それで十分賄えてます。
……それくらい規模が小さい事業主ということですけどね(´・ω・`)
面倒だけど大切なのは日々の暮らしで消えていくお金の把握
私自身、個人事業主として上記のような経験をして気がついたのですが、ホントに面倒、だけど疎かにするとお金が貯まらないのは「日々の暮らしで出ていく些細なお金を把握すること」です。
稼げず借金生活真っ直中だったころ、確定申告(赤字)はキッチリこなす一方でふと思いました。
なんでお金が残らないんだろう? 申告書・決算書に出てこないお金はどこに消えているんだろう?
当時は日々のやりくりといえばざっくりと財布の中身がわかっていて、減ってきたら預金から引き出して補充。クレジットカードや光熱費の引き落としも通帳を記帳したときに「あ、落ちてるな」と確認する程度。ことさらルーズだったとも浪費していたとも思いませんが、ドンブリ勘定といわれても仕方がない状態でした。
「仕事の方のやりくりに追われていた」って言い訳したいところだけど……そこから脱却したいま振り返ればなおのこと、「把握してないんじゃコントロールできるわけないじゃん、そりゃ残んないよ」と思います。
当時の苦しさを思い出すといまでもドンヨリと鉛を飲んだような気分になります。それがモチベーションを保つエネルギーにもなっているのですが。
仕組みはシンプルでイイ、でもとにかく「毎日お金と向き合う」こと
そういえばフリーランスとして「このままじゃダメだ」と決意した時期と同じだな。
それまでのドンブリ勘定を改めて、当時すでに身につけていたロディアのメモ帳に、領収書やレシートが出ない交通費や自販機での買い物も含め、支払いが発生した直後に1円単位で記すことに決めました。まだスマートホンがなかった時代です。
銀行口座の入出金がマメに確認できるようインターネットバンキングを使いはじめたのもこのころです。
1日の終わりにそのメモを読み返し、とにもかくにも自分が毎日なににいくらお金を使っているか振り返るようにしました。
やっていることは子どものお小遣い帳レベルです。でもとにかくサボらない・手を抜かない。これがテキメンに効きました。
そんなバカな、自分のお金だよ?と思われるでしょう。私もそう思ってました。
でもね、ここまでやると、やっと自分がお金のことをどう考えてどう扱っているか見えてきて、やっと自分のお金を「自分ごと」だと実感できて、やっと行動を起こすための危機感あるいは希望が芽生えるんですよ。
そもそも少ない金額で動いているビンボーフリーランスです、できることは限られていました。でもなにもしないよりは遙かにマシ。小さな節約からはじめた意識の変化が、お金の管理だけでなく仕事の進め方や人付き合いにまで波及し、投資の取り組み・借金完済・資産づくりへとつながりました。
自分のお金の動かし方を知る・お金と向き合う習慣が意識を変える
日々出ていくお金の記録はいまも続けています。ツールはスマホの家計簿アプリになりましたが、支払った直後や通帳を確認した時点で記録することは変わりません。操作が片手で済む分、スマホのアプリの方が楽です。
使っているアプリは無料の極めてシンプルなもので、最初にいくらあって、何円払って、何円入って……とそれこそお小遣い帳レベルの記録をするだけ。便利なのは複数の口座をつくれることで、私は財布の中身(小口現金)だけでなく銀行・証券の口座やクレジットカードの利用額、SUICAや株主優待でもらったQUOカードの残高もそのアプリで一元管理しています。
さらに便利なのは口座間のやりくり(銀行から引き出して財布に入れたとか、クレジットカードからSUICAにチャージしたとか)が一方の口座に記録すれば他方にも自動で反映されること。
どの口座の入出金も残高も手元でわかり、いっそう管理が楽になりました。イイ時代です。
記録することで現実を把握し、意識と行動を変えることで改善を図るという考え方は岡田斗司夫氏が実践・開発した「レコーディング・ダイエット」に似ているかもしれません。その後ご本人がリバウンド&効果を全否定されているようですが(^_^;)
すんげーキリキリと緊縮財政にしたんでしょ?と聞かれれば、自分としてはそういう意識はありません。お金を使わないことに執着する方向でなく、「お金の使いどころ」について日常的・習慣的に「自分ごと」として考えられるようにシフトできた、という感じです。
節約するといっても友人との飲み会や慶事・弔事など払うべきときは払い、安い衣類や靴でも手入れの方に力を入れて、ケチくさい・貧乏くさい振る舞いや見た目にならないようにする心の余裕はできました。
厳しいときは自分がガマンや工夫をすればいいし、それでもダメなら素直に相談するなり謝るなりして、人に「自分ごと」を共有することを押しつけちゃダメ、とも思えるようになりました。
それはこれからも変わらないと思います。もしこの先またお金で苦労することがあっても、シーナ&ザ・ロケッツの「この道」と椎名林檎の「歌舞伎町の女王」を口ずさみながら乗り越えられるでしょう。
この道はいつかきた道、そして同情を欲したときにすべてを失うだろう、と。
……シンプルな方法だからシンプルにまとめようと思っていたのに熱弁奮ってしもうた。
お小遣い帳レベルの取り組みから資産づくりへとつながる物語、でした。