ツールに疲れた・行き詰まったときは新しいもの探しの前に見なおし・学びなおし

[投稿日] 2022-04-16
[更新日] 2022-04-17


知的生産やメンタルヘルスのために自分なりにこだわってツールを選び、日々使ってきました。

アラフィフでも物忘れに負けず知的生産を続けるために
コーネル式測量野帳で朝のジャーナリングを習慣化したら心が穏やかになってアウトプットもスムーズに

私はいまの自分の布陣に満足できていて、よほどのこと……「ご禁制の品」になるとか規格が廃止されるとか……がないかぎり変えることはありません。

……とかいいつつ。それでも。

仕事に追われたり予定外のことが続いてルーティンが崩れたりして、いつもの使い方ができない・煩わしいと思ってしまうときもあります。

目先を変えたい気持ちはわかる、でも乗り換える時間と手間とコストばデカい

私もこの年度末は公私ともに忙しく、久しぶりの逃避モードに入りかけました。

ふだんから興味がある分野なので情報はついつい眼や耳に入ってくるし。なんかこう、新しいモノ・コトに没入したら浮世を忘れられそうな気もするし。

おもちゃを探す子どもと同じですねf^_^;)

ぶっちゃけコレ(ツェッテルカステン)は手を出しかけた。


思いとどまれた理由は提唱されているカードが私が使っているサイズ(5×3インチ)ではなかった、というのが1つ。

もう1つ大きいのは、これまで書きためたカードを(サイズは変えないとしても)新しいフォーマットに切り換える手間と時間が、いまのところ満足している自分の使い方に照らして見合わない、と冷静になれたことです。

ノートやメモもしかりで、新しいものにしたら目先は変わるだろうけど、これまでの蓄積とどう折り合いを?と思うと乗り換える方がはるかにシンドイ。まだ家に在庫もあるしさー。

(ツェッテルカステン自体はとてもわかりやすく構造的にもしっかりした方法だと思うので、これから情報カードを使ってみようかな、という方は最初からこれに沿ってやってみたら楽しいと思います。カードも入手・継続しやすい規格です。)

採り入れた動機やこれまでの実績を思い出し、基本に立ち返るための「原典」をそばに置いておく

私自身、使い慣れたフォーマットを変えるシンドさを味わってきた身でもあります。

手帳を替えます

そもそも個人的なツールだし、製品やノウハウを売って稼いでるわけでもありません(「新商品」を発表しつづける必要はない)。これまでの経験を思えば愛着もかなり大きい。

そんなこともあり、いまは新しいものに手を出したくなったらむしろ使っているものの見なおし・学びなおしをするようにしています。

なぜこのツールを使いたいと思ったのか。そのとき自分はどんな状態だったのか。このツールを使うためになにをどうやって学んだのか。どうやっていままで使い続けてきたのか。そしてこのツールは現状において問題なく使えるか。

こうした振り返りに役立つのも実は使い続けている当のツールたちですし、より大きくは学んだ本、いうなれば原典です。

ノートやメモ・情報カード、またGTDのために、私は自宅の居間の手の届くところにこの「原典」を置いていて、折に触れ読みなおしています。




例によって、私は旧版派↓ですが。


見なおし・学びなおしをして現状に不満や問題がなければ継続すればいい。なにかしらあっても、基本的・シンプルなルールに戻って対応策を探ると案外スンナリと「これでできるじゃん」と気づくことが多いのです(個人の経験ですが)。

自分のアタマをアップデートして硬直化・形骸化させずに使い続ける

さらに、使いなれてコナれたツールを硬直化・形骸化させない工夫があれば、敢えて新しいものに乗り換える必要はないと思われます。

そもそも硬直化・形骸化するのは使う側のアタマの問題で、ツールそのものではありませんからね。でなきゃ「手書きのツール」なんでとっくに過去の遺物になってるわけで。

じゃあどうやって?といわれれば、私の場合はやはり読書が一番の方法になります。

上述の「原典」も現在進行形の自分にあてはめて読めばいまでもなにかしら新しい発見があります。

新しい本ももちろん読みますが、具体的な技法やツールを解説した本よりも……そういう本は弱ってるとき読むと浮気心をくすぐって危ない……ツールを使ってなにをしたか・なにができるかについて書かれたルポ・体験記のようなものの方が、自分のツールの使い方と比較して面白く読めて、工夫のためのヒントも得られます。

同じ目的でビジネス誌の手帳やノートの特集もイイですね。

最近ではコレがとくに面白かった。



前者は情報カード・KJ法の実践(本の印象だと「実戦」だけど)方法を考える上でものすごくイイ刺激になりました。後者は「そもそもノートとは」という観点から、より力を抜いてノートやメモを使えるようになる良書と思います。

中高年にいたる道でせっかく慣れ親しんだツールたちです。浮気心はちょっと抑えて、たまには来し方を振り返ってイイところをホメてあげましょう。