オレどうして散歩が好きになったんだっけ?きっかけとメリットを振り返る

[投稿日] 2021-11-06

今年も早や11月、すっかり秋ですね。

私は夏が苦手なので、秋から冬に向かうこの時期が1年で一番楽しく心も落ち着きます。

新型コロナウイルスの新規感染者数も減少傾向が続き(相変わらず原因不明なのがちょっと怖いけど)、昨年来控えていた商店街・飲食店街を通るルートの散歩をぼちぼちと再開しています。

秋晴れの下、ちょっと冷たい風に吹かれながらの散歩はやっぱり気持ちいい。

今回はごくごく私的な散歩についてのお話を改めて詳しく。

精神的にヤバかったころ、藁にもすがる想いで歩きはじめた

私は子どものころから歩くのが苦にならないタイプではありました……幼稚園が遠かったんだよね……が、好んで散歩をすることもありませんでした。

日常的に散歩をするようになったきっかけはなかなかヘヴィです。

いま振り返って「オレの人生あんときがドン底だったな」という時代、軽いうつ状態になりました。

あまり詳しくは書けませんが、幸いにも私は周囲の人たちに恵まれ、また多少の知識があったので踏み留まれた(というか引き返せたというか)のですが、そのプロセスで意識的に散歩を生活に取り入れたのでした。

このままじゃダメだと自分に言い聞かせて、少しずつですが生活習慣や人間関係を見直し、回復に役立つことをまず1つやってみよう、と思ったとき、とりあえず一番楽にできるのが散歩で。

なにしろお金も特別な道具もいらない。ただ起きて顔洗って着替えて外に出ることさえできれば。

唯一工夫したことといえば、とにかく身軽に手ブラで、と思ってカバンやバックパックの代わりにポケットが大きいカーゴパンツを履いたことくらい。


日光を浴びること、歩くことでセロトニン(いわゆる「幸せ物質」ですね)の分泌が増え、それがうつ症状を軽減するんだととにかく信じて、よほどの悪天候でもないかぎり毎週末に必ず外に出て歩くようにしました。

心の健康だけでなく生活の楽しみも増えた

最初は住まいがあるブロックを1周(10分)するくらいがせいぜい(そもそも仕事でもないのに外に出るのがしんどい)でした。

でも「せっかく外に出たんだから」と少しずつ距離を延ばし、いつのまにか街のアレコレに興味を持てるようになり、4か月ほどで1時間くらい楽しみながら歩けるようになりました。

おー、出てる出てるセロトニン、と感じたことはありませんが、私にとっては散歩が心の健康を取り戻す一助になったことは間違いありません。

それだけでなく、周囲に興味を持って歩くようになってからは「この道が近道なのか」とか「こんな店あったんだ」とか、自分が住む街をじっくり見直すこともできました。

見かけた猫の後についていったらイイ感じの居酒屋さんに行きついた、なんてこともありました。パートナーと一緒に出向き、2人とも気に入って行きつけのお店の1つになったのはイイ思い出スな。



当初は1人で出かけることが多かったんですが、気分が上向くにしたがってパートナーも誘うようになり、2人で歩くことも増えました。

歩きはじめたころは顔色も人相もかなり悪かったと思うんだけどな、付き合ってくれたパートナーにはひたすら感謝です。

災害時の徒歩での帰宅に散歩の経験が役に立った

こうして散歩に親しむにつれ、仕事の訪問先でもちょっと周辺を散策したり(そうやって見つけた書店は多い)、時間があれば自分のオフィスから現地まで歩くようになりました(都内だと公共交通機関使うのとあまり時間差がなかったりする)。

これがアタマの中の地図づくりにとても役に立ちました。

東北の震災の際、私もオフィスから徒歩での帰宅を余儀なくされました。そのとき、歩いたことがない道を途中に挟みつつ、知っているエリアの脳内地図をつなぎながら、同じく徒歩で帰宅する人たちで混み合った10km弱の道のりを迷うことなく3時間ほどで歩き切ることができました。

街歩きに慣れていたこと、日常の行動エリアとそれをつなく幹線道路のイメージができていたことが大きいですね。

この経験も加わって、馴染みがない街を歩くときなどは「いま地震がきたらどこに逃げるかな」「ここは落下物ありそうだな」と周囲に注意するようになっています。

ヘヴィな理由なんてなくても、散歩は楽しい

なんだか小難しい話になりましたが、ヘヴィだった日々のことはすっかり過去のものになり、いまはフツーに書けるし話せもします。

散歩についても気分転換になるし、運動不足も解消できるし、発見もあるし、そもそもシンプルに歩くことが楽しいからイイや、と。

そういえばゲーテも散歩が好きという話も書きましたが、出かけるときは花の種を持って、道すがら蒔いてはその花が咲くのを見て楽しんでいたとか(いまは場合によっては怒られそうではある/世知辛ぇ(´・ω・`)

涼しい季節のお楽しみにどうぞ。