ライダースの革ジャンを40年近く着ているおっさんが出会いと想いを綴る

[投稿日] 2021-12-11


2021年もすっかり冬ですねぇ。

夏が苦手、秋冬が好きな私はいつもこの時期になると革ジャンやピーコートを引っ張り出してウキウキとしています。

プライベートの服装

振り返ってふと気づいたのですが、ダブルのライダースの革ジャンを着るようになってもう40年近くになりました。

我ながらずいぶん長い。

Sex Pistolsで人生変わりまして

最初のライダースを購入したのは17歳、高校2年生の時分です。

遡って14歳、中学2年生当時。名前だけは知っていたSex Pistolsの「Never Mind the Bollocks」のLPを地元の輸入レコード店で見つけ、半ば怖いモノ見たさでゲット。

レコードといえばジャケットの中は半透明のビニールのインナーが当たり前と思っていたら、ソレは紙粉や断裁クズがついた紙袋。なんじゃこりゃと思いながらクリーナーでキレイにしてプレイヤーに載せ、針を落として……

最初のギターの1ストロークで人生変わりました。


いまでも一番聴いてるアルバムっスなー。

パンクロックにのめり込むと同時にファッションにも傾倒、小遣いやお年玉をやりくりしてソレらしい格好をしてました。

当時はダブルのライダースの革ジャンといえばリーゼントのツッパリというイメージが強かった(新潟だけじゃろか)のですが、パンク少年としてもそこは譲れない。高校生になって行動範囲も広がり、恐る恐る地元のデパートの若者向けファッションのお店を訪ねて買いました。

昭和の田舎の高2が買えるようなヤツですからね、ドコ製かもわからん安物だけど、本革だったし、鋲打ったりペイントしたりしながら高校・大学・社会人まで8年近く着てました。さすがに鋲は危ないので大学生時代に外したけど(鋲の跡がカッコイイというアレンジもあったのよ)。

二代目にして最高の1着、Schottに出会う

そんな初代にももちろん愛着があったのですが、24歳になった年、自分の体型が変わってきたこと(17歳→24歳だからね)、社会人になって早々に東北の太平洋側のとある街に赴任したことがきっかけで、いまに至るまで着続けることになる二代目を購入しました。

オレ雪国・新潟生まれだけど、寒いんだよ太平洋側。空気が乾燥してて寒さの質が違うんだもん。冷気が染み込んでくるんだもん。生まれてはじめてその街で霜焼けになったさ。

そんな街の真冬に高2が買える革ジャンは通用しなかった。裏地はキルティングじゃなくて厚手のサテン生地1枚だし。おまけに鋲打った跡の穴がイイ感じで通気口になっちゃってるし。

それでもやっぱり革ジャンの下は薄着でいたい!ということで、冬のボーナスを元手に「もう社会人、イイやつ買おう!」と赴任地の三越に入っていたロック系のTシャツやブーツ、革ジャンなどを扱うセレクトショップに行きました。

いくつか試着したり店員さんに尋ねたりした中で、イチオシされたがのSchottのライダースです。


ダブルのお手本のような形、ブ厚い革、裏地はしっかりしたキルティング。さすが真冬のツーリングにも耐えられる剛健さです。

店員さんの「冬(しかも東北)でもこの下はTシャツでイケるくらいあったかいっスよ」の言葉にも背中を押され、予算オーバーでしたが……まだインターネットとかなかったからさー、事前に調べられることって少なかったんだよ……思い切って買いました。

実際に着て過ごすとこれがホントに暖かくて、私の体型(かなりのイカリ肩)にもよくフィットして、シルエットもキレイだし、と最初の冬から手放せない1着になりました。

流行り廃りでなく着続けてきた理由は

そんなこんなでSchottのライダースは今年で30年モノ(タグはバイカー後期)になりました。

肩まわりや肘にできたシワは完全に自分の関節にフィットした形になってます。襟にもお気に入りの着方のクセがつきました。ほかの人が着たら違和感バリバリだろうな。

どうしてここまで着続けてんだ、といわれれば、やっぱりSex Pistolsに魂持ってかれたことが一番。以来、パンクファッションがずーっと好き(腕時計もそういう理由)。

余談だけどブレイディさんには共感するところが大きい。


それに加えて、Schottの機能性(防寒・防風性能)にホレた。これはピーコートも同じ。

さすがに40歳すぎて寒さが骨身にしみるようになってからはTシャツだけじゃなくパーカーとかセーターとか着てますけど、真冬も「コレ着てりゃイイや」という安心感はデカい。

さんざんコスれて色もすっかり黒からグレーに褪せてますし、袖のファスナーのタブも取れましたが、縫い目や裏地のキルティングはヘタることもなく、いまも変わらず寒さや風から守ってくれてます。

もうプライベートの冬の装いはSchottのライダースとピーコートだけでイイや、とマジで思う。

どうせなら一生モノを大切に、そして……

ここ2〜3年のライダースの流行も沈静化したようですが、やはり定番のものではあるし、機能的にも優れているし、(ナンチャッテなヤツはともかく)一生モノとして長く楽しんでほしいな、と思います……この年齢になってから振り返っての結果論だけれども。

そういえば、流行でライダースを着た女の子たちを見つつ思ってたのが、こんなにダブルのライダース着た人が多いんだから、むしろシングルのガチなヤツで違いをアピールする方がきっとステキだよ、と。

お年頃のお嬢さんに革ジャンをねだられているお父さん、どうでしょう?


「思ってたのと違う!」と怒られても責任は取りませんよ。

さて。

私としてはどうせならあと30年、80歳くらいまでは着ていたい。そのために健康を維持して姿勢や体型を保つ努力をする価値があるのが私にとってのライダースの革ジャンなのです。

そのあとは甥っ子に(そのころにはもう60代半ばだけど)、でなきゃ又甥に(それはそれで三十路だけど)譲ろうかな、と密かにワクワクしています……まあ、「いらない」とか「新しいの買ってよ」とかいわれんだろうな、と覚悟もしてますが(´・ω・`)