60代・70代……と老いていく自分への「ぼんやりした不安」とアンガーマネジメント

[投稿日] 2021-09-25


メンタルケア(っぽいこと)については継続的かつ意識的に取り組んできました。

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コーネル式測量野帳で朝のジャーナリングを習慣化したら心が穏やかになってアウトプットもスムーズに

それでも元々が心配性なところもあってか、50代も半ばに差し掛かり、60代・70代……と歳を重ねていく自分を想像したとき、ポジティブに考えることを心掛けている反面、「ぼんやりした不安」も一方で感じるようになりました。

今回はそんな自分への不安感の正体と、幸せな老後を過ごすための取り組みについて綴ります。

どんなことが不安なのかを認識する、そして見えてくる不安の根底にある怯え

幸いにも私の両親や親族・近しい間柄の高齢者は、確かに衰えはしているものの矍鑠(かくしゃく)とした人が多く、手本に恵まれているな、と思います。

だから余計に、なのかもしれませんが、日常で見聞きする中高年・高齢者の皆さんのあまりよろしくない振る舞いやニュースを見聞きするたびに、自分を振り返って心に湧いてくる不安があるのです。



衰えとともにいろんなことが面倒になり、身なりや体型に無頓着な人間になってしまうんだろうか。

自分でやる・自分で考えるという気持ちをなくし、簡単なことも人やってもらうのが当たり前だと思うようになるんだろうか。

ちょっとしたことも我慢できなくなり、順番を待ったり道を譲ったりというルールやマナーもないがしろにするんだろうか。

ささいなことで腹を立て、道行く人や店員さん・駅員さん、身内にまで暴言を吐いたり暴力をふるうようになりはしないか。

……老いてなくてもこういう人いるけどね。まあ、今回は触れずに。

私は身体的・精神的な衰え(それ自体は避けられんのだが)を言い訳にして努力や工夫を怠る人間になってしまうこと、その結果としてカッコ悪い厄介者になり、しかもそれを自覚できなくなること、さらには自分の感情を抑えることができなくなることに怯えているんだと思います。

モチベーションの問題なら頑張ればいい。でも本当に怖いのは……

身だしなみ、物事への興味・関心を失わないこと、自分で考えたり行動したりすることは、ある意味でモチベーションを保てるかどうかの問題でしょう。

これについては実はあまり心配していません。上述したように手本となる高齢者がたくさん身近にいることもあります。

私の父など80歳を過ぎても手元にペンとメモ帳を常備して新聞やテレビで得た知識を残していましたし、90歳を過ぎたいまは介護施設で車椅子生活を送っておりますが、人前に出るときはキレイにヒゲを剃り、食後の食器も自分でキチンと整えて返すという人物です。

母も似たり寄ったりで、帰省して一緒にBBCやCNNのニュースを観ていると、いきなり世界情勢についての議論をふっかけてきたりします。

そんな人たちに揉まれて育った上に私はすごく人目を気にするタイプなので、そういうモチベーションはボケない限り途切れないだろうし、足腰立たなくなっても外ヅラよく頑張るんだろうなと思います。



私の場合、本当に怖いのは、自分の価値観に凝り固まってしまい、そぐわない事柄や人物に対して理不尽に怒りをぶつけてしまうことではないかと思い当たりました。

「気むずかしいジジイだな」と思われるくらいならまだしも、感情をコントロールできずに暴言・暴力に至れば、大切な人を傷つけたり失ったり、人間関係や社会的信用を損なったり、犯罪の当事者にもなるでしょう。いわゆる「キレる○代」ですな。

幸せな老後を過ごすための鍵の1つがアンガーマネジメントなのではないか。そういう気づきがありました。

まずは出どころがちゃんとしている本で概要を学ぶ

ウェブでもたいていのことは調べられるご時世ですが、どうせならこういうことは体系的にまとまった正確な情報から学びたい。そういうときはやっぱり読書。

まず手に取ったのはこの本。


著者の安藤俊介さんは日本アンガーマネジメント協会の代表を務めている(この投稿の執筆時点)方で、日本にアンガーマネジメントを導入した第一人者とのこと。

文庫判・200ページ超と小振りな本ですが、読みやすい語り口で具体的な事例、実践的な手法・ワークが説明されており、入門書としては申し分ない内容だと思います(なんか上から目線でゴメン)。

私もこの本で学んだ方法をいくつか実践していて、ちょっとしたイライラを感じるようなことを以前よりも上手に受け流せるようになりました。読み終えてからも常に仕事用の鞄に入れてあり、時おり読み返しています。

今年(2021年)の8月には新しい書籍が続けて刊行されました。



より学びやすく、実践しやすい環境ができてきたように思います。

感情を抑えられない・外にぶつけてしまうことにお悩みの方だけでなく、ささいなことで内側に苛立ちや不満を溜めてしまう……私です。いつか爆発するのでは、という怯えがありました……皆さんにもオススメしたい内容です。

怒りを理解することで自分のありようを知り、不安とうまく付き合っていく

アンガーマネジメントは怒りを否定するものではありません。怒りは人を傷つけることもあれば、前向きな行動のモチベーションにもなる、そういう前提に立っています。

誰だって怒るよ、感情持ってりゃ。要はそれをどう「マネジメント」してサラリとかわすか、あるいは役立てるか。

多少強引にまとめれば「自分はなぜ怒りを覚え、どんな反応をするのかを探ることで自身の感情と行動についての理解を深め、抱く必要がない怒りに煩わされずに……自分も、周囲の人たちも……心穏やかに毎日を過ごすための現実的なテクニック」かな。

生き物として老いて衰えていく日々が続く以上、私の心から「ぼんやりした不安」が消えることはないでしょう。しかしそのありようを探り、コントロールする方法があるとわかっていれば、その不安ともうまく付き合っていけそうな気がします。