野帳で場帳

[投稿日] 2020-01-25
[更新日] 2021-07-04


久しぶりのエントリーがダジャレでごめんなさい。

2019年は仕事の状況の変化などもあって超多忙となり、半ば意図的にここから離れておりました。前半は仕事先の経営上の問題に追われ、後半は努力の甲斐あって持ち直し、それに伴って仕事も増え……ともかく忙しくしておりました。

ちなみに「現状で事業を継承するのは負担をかけすぎる」というボスの計らいで、まだ社長にはなってませんf^_^;;

一方で経営難への対応は個人的なファイナンス状況をさらに見直すきっかけにもなり、合間を縫って改めて自分の投資スタイルに向き合いました。ほぼ1年かけてポートフォリオの見直し・再構成と新しい口座の開設を進めるとともに、もう少し「積極的に増やすための投資」が必要ではと思い、日経225の先物取引・オプション取引について勉強していました。

これはこれで大きなテーマになるのでまたいずれ、として今回は軽く、先物・オプション取引に取り組むに当たって採り入れたツールのことを。

投資に取り組む中でたびたび「場帳」というものに出会いました。ご存知ない方のためにざっくりいうと、個々の銘柄の値動きの値を記入し、推移を追って判断の材料にするための表型の書式です。日々の動き手書きで積み重ねることで相場を読む勘所を鍛え精度を高めるという、「プロなら必携」ともいわれているツールです。

とはいってもオレ専業投資家じゃないし、持ってたり追っかけてたりしてる銘柄1つ1つにそこまで手間かけられないし、中・長期だから日々の動きよりも決算・業績のチェックが中心だし、と「そんなんもあるのね」程度で済ませてました。

しかしここへきて日経225先物・オプション取引という「値動きで稼ぐ商品」の勉強を進めてくると、どうにも避けて通れない。てか「ないと不安」くらいに思えてしまい。

調べたら専用の用紙が販売されているけどちと高い。でも形は表計算ソフトで自作できるレベル。

ふむ。

どうしたもんかと考えながらツラツラと画像検索などしていて、フッと「なんか似た表型のノートあったな」と思い当たりました。

はい、コクヨ・測量野帳の「LEVEL BOOK」の登場です。

「SKETCH BOOK」はしばらく前から使っていて、測量野帳について調べる過程でLEVEL BOOKのデザインも眼にしてたんですな。


LEVEL BOOKは見開きの左側が7列×22行の表、右側は列なしのノートです。これ場帳にして、見開きで1箇月、左側を日付や数値の記入に、右側をその日のトピックスについてのメモにすればよくね?

22行で1箇月足りる?と思われたアナタ。3〜4年分のカレンダーを遡って数えましたが、今の日本の祝祭日の入り方だったら土日も含めて休場日を省けば22行で足ります。31日間祝祭日なし・曜日の巡りで土日も8日しかない、という月でも下の余白も1行として使えばギリ23日分で収まります。うーん、素晴らしい。早速購入&実行。

記入する数値・情報は参考書などを元にして、今のところ以下のもので落ち着いています。

月が改まるごとに上の余白に年・月を記入して、あとは左から、
日・曜
日経平均終値
前日との差(金額)
IV(インプライドボラティリティ)
P/C(プット/コールレシオ)
為替相場(ドル円)
前日との差(高・安)

日経平均終値からIVまでは当日中に投資情報サイトから、P/C以降は翌日の日本経済新聞から取っています(P/Cは掲載情報から自分で計算)。

右ページのトピックスも当日のサイトや翌日の日経から1行に収まるように要約してます。最近だったら「米中協議署名。摩擦の懸念和らぎ買い」「新型肺炎でアジア株安、さらに円高を嫌気で売り」という感じ。

1箇月の終わりには投資情報サイトでその月のチャート(日足+ボリンジャーバンド)を入手、ページサイズに調整してプリントアウトしたものを右ページに貼ってます。「IVってなによ?」とか「なんでボリンジャーバンド?」てのはスルーしますよ。

こんな感じ。乱筆は許せ。


ついでに裏表紙を開いたところには使用済みの封筒をカットしたものを貼り、自分が持っているポジションの内容を書いたメモを入れるポケットにしています。

まだ記入を始めてから半年ほどですが(効果を発揮するには年単位の蓄積が必要、という話も)、採り入れてよかったと思っています。

そりゃまあそれなりに投資の勉強してくれば日々のニュースや新聞記事の見所もつかめるし、経済指標が相場にどんな影響を及ぼすのかもわかります。でもコツコツと自分の手で数字を記し、計算し、コメントを綴り続けることで感じられるものが、確かにあります。場帳を記入する意義について調べているとたまに出てくる「体で覚える」ってヤツかな。

最初は「だから上がった/下がったのね」という「その日のニュースのおさらい」程度の気づきかもしれません。でも日々淡々と書き続けていると、いろんな要因の連続的なうねりが……あの国の出来事でその国がそう言ったらこの国の為替が動いて、みたいなもの……見えてきます。そしてその先に「ああ、人はこういうことがあると、こういうタイミングで、こういうサイズで売る/買うのか」という、相場を動かす最も根源的なエネルギーであろう「投資家の心理」がぼんやりと垣間見えるように思うのです。

なにしろ地道な継続から得た自分自身の判断です。かなり心強いです。当たれば嬉しいですが納得してるので浮かれるほどではありません。外れたときも同じです。

個人的にはいまのところ「こういうときに相場に参加してはいけない」というアラートをつかむために役立ってます。あと多少哲学的なことをいうなら、静かに場帳を見直す時間ができたことで「投資は孤独な行為であるべき」(人の意見で参加してはいけない)と改めて肝に銘じることができたように思います。

見開き1箇月なら「LEVEL BOOK」1冊で39箇月分。3年ちょっとがコンパクトな1冊に。なかなかイイ感じ。

さて、1冊・2冊……と書き続けるにつれ、オレはどれだけ資産を増やせているのかね。


おまけ【あの人の50歳ころ】(敬称略)
ジョン・メイナード・ケインズ(イギリスの経済学者・貴族・官僚、ケインズ経済学の祖、1883年生まれ):1936年『雇用・利子および貨幣の一般理論』発表。大恐慌(1929年)に苦しむ米国でルーズベルト大統領によるニューディール政策の理論的裏付けとなる。