[投稿日] 2016-09-07
[更新日] 2016-09-05
私は最初の会社では営業部員として採用されました。それほど大きな会社ではなかったこともあり、入社から2ヶ月くらいの研修と引き継ぎを兼ねた先輩との同行営業のあと、すぐに1人で担当地域に投入され、フタ桁の数のクライアントさんを担当していました。
あまり書くと特定されそうですが、わりと製品へのクレームが多い業界で、当然、私も新人ながら厳しい状況に対応せざるをえないことが多々ありました。いまになってみればそこで鍛えれらたことは有益な経験ではありましたが……やはり新人には辛いものです。
そんな中でも私が恵まれていたのは直属の上司・先輩が年齢が近く、同じような経験をしてきた人たちばかりで、実体験をベースにしたアドバイスをマメにくれたことでした。
クレームに対応するときの心得として、いまでもたいへん心強く思っているアドバイスがあります。
- クライアントは製品の不具合やそれによる納期の遅れなどについて立腹しているのであって、お前個人の人間性を責めているのではない。
- 発生直後に長々とした謝罪・言い訳は不要。いちばん大切なのはクライアントが被る損失をカバーする・軽減することであって、最初にきちんとアタマを下げたら、すぐにその段取りを大至急かつ全力でやる。それが終わってから改めて丁寧に謝罪しよう。
- 原因が特定できるまで費用の話はしない。
- クライアントからの信用を得るだけでなく、現場や外注先との関係もつねに密にして、スムーズに協力してもらえるように心がけること。
などなど。業種・業界によって違うと思いますが、営業マンへのアドバイスとしてはソコソコ広い範囲に通用するんじゃないかと思います。
そういや一番目のヤツ、会社全体がそういう気風だったんですかね、先輩のクレーム処理に同行した役員が、相手が先輩の人格・性格を揶揄するような発言を3つ4つしたところで「私の部下をなんだと思っているんだ!」とキレてその場で撤回・謝罪させたという話がありました……いまにして思えば、やさしい業界ですな。
あと、私がいままでの経験を通じて心がけていることがあります。
- クレーム処理のためにクライアントを訪ねたら、帰るときにはお互いに笑顔で別れられるように。
そりゃ初っ端は向こうはオカンムリだし、こっちはドンヨリだし、笑顔はありません。でも、まずはきちんと謝罪して、原因はなにか、いつまでにどんな方法で対応するか、そのためにどんな協力をしてほしいか、といったことを相手の理解を得ながらまとめることができれば、「じゃあ、それでお願いします、次からは気をつけてくださいよ」と笑顔を、たとえ苦笑いでも、向けてくれます。
自分がキリキリしてると忘れがちなんですが、クレームが解決して安心するのはクライアントさんも同じ、なんだよね。
クレームはないにこしたことないですけど、そういうわけにもいかないので、多少なりともメゲずにいきましょう。