趣味としての喫煙・煙管編

[投稿日] 2016-06-10
[更新日] 2021-05-19

kiseru
禁煙した当時
は「借りては返す」という生活から脱しつつあったものの、まだやりくりに苦労することもありました。新しく借金が増えることはないけれど、優先順位が低い支払いは引き落としをスルーしてあとから振り込んだり、という状態ですね。

そんな「ちょっと上向きなんだけどまだ苦労してる」状態がいい発奮材料になったようで、「これをクリアしたらあれにトライしよう」というものがいくつかできました。我ながら得な性格です。その1つが、禁煙の経験も踏まえて「趣味としてもう一度煙草を楽しむ」というものでした。

そして40歳をちょっと過ぎたころ、まずは刻み煙草と煙管での喫煙にトライしました。

主にコンビニや自動販売機で煙草を買っていると気づきにくいんですが、街角の煙草屋さんをよくよく見ると刻み煙草を置いてあるお店がけっこうあります。自分へのご褒美感と久しぶりの煙草屋さん訪問でそれなりにフルフルしていたというのに、拍子抜けするくらい簡単に入手できました。

そういうお店にはたいてい廉価な煙管も一緒に売っています。でもそこは道具へのこだわりとしていろいろ探した結果、ネットショップで取り寄せ。こういう『鬼平犯科帳』に出てきそうなの、ステキですなぁ。


祖父や父がたしなんでいたのを子どものころに見ていたので、ひと通りの方法は知っていたのですが、念のため先達の皆さんが公開しているサイトや動画でおさらい。いい時代スね。3〜4回やってみて、そこは元喫煙者ということもあり、とりあえず煙草の詰め方や灰の捨て方など問題なくできるようになりました。

せっかくやめたのに、また常習になるんじゃないの?と思われたかもしれません。正直、懸念はありました。でもまったくなりません。

伝統的には口腔喫煙なので、体への負担や成分摂取の量・速さは紙巻の肺喫煙より少ないと思われます(体にいいとは決して申しません)。また、頻度も月に3・4回、行きつけの居酒屋さんなどで気が向いたら合間に一服二服……くらい。それで満足度がとても高いので、本当に「たしなむ程度」でいいんです。

そしてなにより「楽しむ」という動機が一番働いているんでしょう。いろいろあった末にせっかくはじめた趣味としての喫煙です。カッコつけてる部分も大きいです。まずいと思うような吸い方はしたくありません。

おいしい和食とお酒をいただいて、ホロ酔いでふわっと和煙草の煙を味わうというのは、喫煙をおいしいと思ったことがある身には至福のひとときです。食後にお茶をいただきながら、なんてもうタマランぞ。

これからトライされる方、慣れないと香りを強く感じますので、飲食店などで吸われる際はお店の方に一言添えるといいでしょう。OKなお店であれば逆に話のネタになったりします。年配の方に「ニイちゃん、いいね、いまどき珍しいね」(いや、ニイちゃんて歳では)てかまわれたりね。

煙草の話、まだまだ続きます。

こちらのお店、煙管や関連グッズの品揃えがすごいです。工芸品としての美しさもあり。

おまけ【あの人の50歳ころ】(敬称略)
池波正太郎(日本の時代小説・歴史小説作家、1923年生まれ):『鬼平犯科帳』(オール讀物)、『剣客商売』(小説新潮)、『必殺仕掛人』(小説現代)3作品同時連載(1973年)。