カップ麺の説明書き

[投稿日] 2016-09-01
[更新日] 2016-08-28

cup_noodle
はじめてカップ麺を食べた日のことを、いまでも鮮明に覚えています。

昭和47年2月、日本を揺るがす大事件の中継で、警察官の皆さんが厳寒の山中で白い湯気を上げる「それ」をとても美味しそうに食べている姿を見て、幼稚園児だった私は母に「……食べてみたい」とねだりました。事件の意味も重大さも理解していません、無邪気なものです。

同じ映像を記憶されている方も多いんじゃないかと思います。あさま山荘事件における「日清カップヌードル」のエピソードです。

当時は母が夕食の買い出しに行くときに同行するのが日常で、その折に買ってもらいました。透明のプラスチック製フォークがついてきました。

帰って早速お湯を注いでもらい、でき上がるのが待ちきれずにソワソワとカップをフォークでつついていたら側面に穴が空き(子どもってヤツはorz)、「怒られる!」とベソをかきそうになっていたところ、母が笑いながら障子紙の切れ端を詰めてふさいでくれました。

正直なところ、味をどう思ったかは覚えていません。というかいまでも同じものがあるからね、味の記憶は上書きされてるんだと思います。むしろ買ってもらったこと、母のやさしい機転、1食分を1人で食べきれたこと、そういう嬉しさが強く残っています。

前フリが長くなりました。今回はカップ麺の説明書きについてです。

「フタをめくってお湯を注ぐだけ」だったカップ麺も、スープや具材が小袋になったり、調味油が加わったり、先入れ・後入れの指示がついたり、なかなか複雑な食べ物になりましたな。美味しさを追求してのことでしょうから、消費者としてはウェルカムではあります。

でもね、やっぱり面倒。いまどきのカップ麺のあの長い説明書きが。

いつの間にか私、その手の説明書きを読むとき、最後の文章から遡って読むようになってました。

だって要するに「かかる時間」と「どれが後入れか」がわかればいいんだもん。

たいていの説明書きは「フタを開けて」「○○を取り出し」「○○を入れて」「お湯を注ぎ」「○分後」「○○を入れて」「お召し上がりください」という構造なんだから、「お湯を注ぎ」以降の文章で時間と先・後の区別を把握すればちゃんと作れるじゃん。文章量、半分以下よ。

前半にものすごく重要なことがあって、それを見落としてエラいことになったとしても、それは自己責任として受け入れるし。

全部読んでも数秒差なので「どんだけ面倒くさがりなのよ」という話ではありますが、まあ、生活のささやかなひと工夫ということでf^_^;;