[投稿日] 2016-08-29
[更新日] 2021-09-04
スケジュール管理やGTDの取り組みについてこれまで書いてきましたが、今回は私がいまタスク管理のために使っているツールの話です。
これまでの記事はこちらです。
スケジュール管理を見直して
いまさらでなくGTD
頭の中身を逃さない
GTDに取り組みはじめたころのツールは紙のメモ帳・手帳とガラケーでした。そこから大きな飛躍になったのがRemember The Milk=RTMを使いはじめたことです。
RTM、ガラケーのブラウザで使用できるページがあったり(いまもかな?)、すでにメールによる登録に対応していたり、タスク管理が飛躍的に効率化しました。すぐに有料版にアップグレードしたのはいうまでもありません。iPhoneを使うようになってからも、さいすけとともに早期にアプリを入れ、なくてはならないツールになりました。
新しいタスク管理・Todoアプリが出ると一通り試しつつ、結局はRTMに戻る、という期間がかなり長くありました。
しかしながら、仕事の内容や立場が変わり、より多くのものごとを処理しなければならない状態になったとき、RTMでの管理に限界を感じるようになりました。現在の機能がどうなっているかわからないので、あくまでも私がRTMの利用を止めた時点での話です。
RTMの優れた点はとにかくシンプルでわかりやすいことと、それゆえに安心・安定して使えるところで、その点についてはいまでも抜きん出ているサービスだと思います。ただ、GTDのプロセスを再現するにはそれなりの工夫が必要でした。
いってしまえば、状況の変化に伴いその「工夫」に手間をかけることが面倒になってきたのです。さらに「工夫を凝らすこと自体が目的になる」という、ガジェット好きが陥りやすい落とし穴に落ちかけてもいたことにも気がつきました。
そうしたことあって、4年前からタスク管理をOmniFocus中心に切り替えました。無料で使えるものが多くある中、決して安いアプリケーションではありません。でもそれに見合うだけの価値はあると判断しました。自宅で母艦にしているMacBook、オフィスや旅先に持っていくMacBook Air、そしてiPhoneの3台に入れて同期しています。
最大の理由はやはりGTDのプロセスに忠実な処理ができることです。OmniFocusならではの特徴かつ利点といえるでしょう。
さらに、
- プロジェクトという概念の下で複数のタスクをまとめられる(プロジェクトを個々のタスクの集合として捉える、あるいはプロジェクトを個々のタスクに分解するのが容易)
- タスクの遂行順を管理できる(例えばA・B・Cというタスクは順番を問わないのか、A→B→Cの順にやらなければいけないのかを設定できる)
- 定型的な繰り返しのタスクの管理がきめ細かく、しかも楽にできる
……といった機能が組み込まれている(自分で工夫しなくていい)ことは、管理職兼プロジェクトリーダー的な立場になったいまの私には、たいへん心強いのです。
OmniFocusについては「難解」「機能を使い切れない」といった声も聞きます。正直なところ、私もそう思います。それでも「やりたいことの50%ができるツールを頑張って工夫して100%まで持っていく」よりも「ツールが持っている機能の50%しか使ってないけどやりたいことは100%できる」方がストレスがありません。
ついでながら、かつてAppleのNewton(私もユーザーでした)の登場によって広まったPDA(Personal Digital Assistant)という分野があります。ZaurusやPalmほか、懐かしいですね。Newtonは残念ながら日本語環境では実用レベルにまで到達したとは言い難いものでしたが、いま時おり、OmniFocusを入れたiPhoneを使いながら「ああ、これがPDAだよね」と、勝手に思想の系譜を見出したりしています。
「これからそういうツールを使おうかな」という方にはOmniFocusはいろいろハードルが高いものだと思います。ならば、まずはRemember The Milkからはじめられることをお勧めします。私が自分の用途で不足を感じただけで、RTMが優れたサービスであることは変わりありません。
しばらく使ってみて「もうちょっと」と感じるようなら、そのとき改めてOmniFocusへの乗り換えを検討されてはいかがかと思います。
おまけ【あの人の50歳ころ】(敬称略)
ジョン・スカリー(アメリカの実業家、1939年生まれ):1983年、Appleの社長に就任。1985年、当時のAppleの経営の混乱をスティーブ・ジョブズの責任として対立、取締役会の決定によりジョブズを追放。その後1987年ころからはじまったPDA「Newton」の開発に注力。なお、PDAはスカリーの造語。