旬は酒場で

[投稿日] 2016-09-27
[更新日] 2021-05-19

food_and_season
引き続き、以前お話ししたような調子で2人してお酒を楽しむ日々を送っているわが家です。

私もパートナーも「ツマミもソコソコにお酒だけ飲み続ける」タイプではなく、食事を楽しみながらお酒もいただく、という形です。夕食にかぎった話ですが、「お酒のない食事」も「食事のないお酒」も、ちょっともの足りないんですよね……やっぱり揃って酒好きなんだろな。

さて、年齢とともに飲み方も飲む量も変わり、いいお店に出会ってきたという話の続きです。

居酒屋、和食処、フレンチ等々、ジャンルはいろいろありますが、そういったお店と長くお付き合いしているうちに、折々の「旬のもの」を率先していただくようになりました。

魚だったらメジャーどころで鱧、鮎、鰹、鰈、鯖、秋刀魚、鰤、鮃、鮭など。貝類もたくさんありますね。肉なら鴨や鹿とか。空豆、枝豆、茄子なんかもいいなー。とにかく、1年中、飽きずにいただけます。こういうことに関心が向かなかったころの自分が憎い。

「一人口より二人口」とはいいますが、こうしたものを2人分で適量をムダなく、というのも難しいもので……というのは酒飲みの言い訳だ、まあ、酒場でいただく方が食事もお酒もいろいろ楽しめますのでf^_^)

最初は2人で「鰤っていまごろの魚だっけ?」みたいな話をしていたところから、お店の方に顔を知っていただくにつれ、感想を伝えたり、わからないことを尋ねるようになりました。同じようにお店の方に声を掛ける両親を見て育ちましたし、興味を持つと知りたくなる性質でもあり、私はそうすることに抵抗がないタチなのです。パートナーももちろん同じです。

私たちが通うようになったお店はそういうことにちゃんと応対してくれる皆さんだったのも幸運でした。どこの馬の骨ともわからん2人に、ホントにありがたいかぎりです。

「今年のはイイ出来だねぇ」「今日のは◯◯産ですよ」といった話から、市場の様子、仕込みの方法など、伺えば面白い話がたくさんあります。食への興味も増しますし、目利きとまではいきませんが、自炊に活かせるお話も多いです。

なにより、旬を知り、そのときに美味しく食べるというのは、食材の命を自分の力にする一番いい方法だと信じているし。

余談です。残念ながら閉店されてしまったお店で、あるとき梅が描かれた大鉢にお造りを盛っていただいたとき、私がその鉢を気に入ったことを大将が覚えていて、梅が咲く季節になると毎年その鉢で旬のお造りを供してくださるようになりました。それがとにかく嬉しくてね。

季節の儚さを想うというか、無常観というか、旬を愛でる心の底にはそういうものもあるんだろう。

月イチくらいでも、食べにいこうよ旬のもの。